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古代の華の特徴

古代の華は明るい紅色の花弁を一重に咲かせます。花弁元からやや開き、反りながら先まで開きます。花弁先よりも蕊が前まで伸びるのが見所です。侘助の中では花の色が明るいのが特徴です。八束郡島根町のヤブツバキから選抜されたのは1980年でかなり新しい品種です。

花名は花そのものではなく元になったヤブツバキが植わっていた場所の地名に由来します。これについては管理者も当初気付きませんでしたが、その詳細はコメントに記しました。(写真 都立大島公園椿園)

古代の華(こだいのはな)管理者コメント

花そのものから「古代」を連想させる要素はありません。「古代=素朴」という意味か。 ぷっくりとした子房部と小さくまとまった花弁の組み合わせ、長い蕊などが印象的です。 古代の要素はない…。と思っていましたが、出身地の八束というキーワードに少し引っかかり調べてみると非常に「古代」に縁がありました。

出雲国風土記に「八束水臣津野命」が「八雲立つ」と発したことから出雲国が命名されたとの記載があるとのこと。 この出雲国風土記は733年に編纂されてからほとんど散逸することなく残っている数少ない風土記。 本当に八束水臣津野命が八雲立つと言ったかは別として1200年以上前にあった伝承が今でも残っていて、 その名残でこのツバキが「古代の華」と命名されたかと思うと驚くやら、感動するやらです。

私の浅学で古代要素に気付かなかったことを、「八束水臣津野命」と「八束」の方々とこのツバキに謝るばかりです。